感温インク(かんおんインク)とは、特定の温度変化に応じて色が変わる特殊なインクのことです。英語では「サーモクロミックインク(Thermochromic ink)」と呼ばれます。
このインクは、温度が上がると色が消えたり、逆に現れたり、あるいは別の色に変化したりします。この性質を利用して、様々な製品にユニークな仕掛けや機能を持たせることができます。
仕組み
感温インクの主成分は、温度によって分子構造が変化する特殊な色素(ロイコ染料)です。この色素が特定の温度になると、光の吸収や反射の仕方が変わり、人間の目には色が変化したように見えます。
特徴
- 可逆性: ほとんどの感温インクは可逆性で、温度が元に戻るとインクの色も元の状態に戻ります。そのため、何度も繰り返し色変化を楽しむことができます。
- 温度設定: 色が変わる温度は、インクの種類によって様々です。低温で色が変わる「コールドタイプ」(冷蔵品用)、体温で色が変わる「ウォームタイプ」、お湯などで色が変わる「ホットタイプ」などがあります。
- デザインの工夫: 通常の印刷の上に感温インクを重ねて印刷することで、温度変化によって下のデザインが浮かび上がったり、隠れたりする演出が可能です。
主な用途
感温インクは、そのユニークな性質から、多様な分野で活用されています。
- アパレル・雑貨: 温かい飲み物を注ぐとデザインが変わるマグカップ、体温で色が変わるTシャツ、熱を加えるとメッセージが現れるカードなど。
- 販促品・ノベルティ: 冷蔵・冷凍品の「飲み頃」や「食べ頃」を知らせるパッケージやラベル、お風呂用のおもちゃやポスター。
- セキュリティ: 偽造防止のために、指でこするなどして温度を上げると特定のマークが現れるタグやラベル。
感温インクは、製品に遊び心や機能性を加えるだけでなく、温度管理や安全性の確認といった実用的な目的にも役立てられています。